スキップしてメイン コンテンツに移動

台湾トランスエイジア機事故の調査結果速報

Engine Failure, Related Procedures Focus Of TransAsia Probe

Feb 6, 2015Bradley Perrett | Aviation Daily

Taiwan ASC
Advertisement
BEIJING—2月4日に墜落したトランスエイジアエアウェイズのATR72-600GE235便では両エンジンの推力が出ていなかった。まず一基が出力を落とし、残る一基は乗務員が出力を下げていることが調査で判明した。乗員乗客58名中パイロット二名含む43名が死亡あるいは行方不明。

  1. 右エンジン(2号)のプロペラは自動的にフェザリングとなったのは離陸直後にエンジン停止警告がコックピットに出た直後のことだったと台湾の航空安全委員会が発表した。フライトデータレコーダー(FDR)とコックピット内のボイスレコーダーから乗員がその直後に左エンジン(1号)を停止させていると思われる。
  2. 台湾民間航空局はトランスエイジアおよびユニエアのATR72全機を飛行停止にしており、各機のエンジンと燃料供給系統の点検を命令した。トランスエイジアは七ヶ月前にもATR72で死亡事故を発生させており、一年間の新規路線開設停止処分となっている。
  3. 乗務員は墜落前2分半にわたり推力喪失に対応しようとしたが、コックピット内ボイスレコーダーの録音停止1分27秒前から失速警告が繰り返し出ている。右エンジンの警報が出たのは離陸後およそ37秒後、高度1,200 ft. (370メートル)時点だが、エンジンはそのまま回転を続けており、パイロットから管制塔にエンジン停止を連絡した時点でも稼働中だった。FDRのデータでは同エンジンは自動フェザリングして推力を発生しなくなっている。油圧は正常のままだった。
  4. パイロットの一人が左エンジンをなぜ停止させたのか不明。FDRデータでは左エンジンのスロットルは30秒にわたり下げられ、燃料弁が閉鎖されている。乗員は左エンジン再始動を試みたが時間切れになった。
  5. 左エンジン停止で右エンジンも故障しプロペラ両方がフェザリングしたまま衝突まで一分間の時点で機体は高度をゆっくりと下げ墜落した。
  6. フライト前にエンジン異常は見つかっていない。失速警告はボイスレコーダー停止3秒前まで続けて出ている。
  7. 事故調査の速報は事故発生から30日以内に、より詳細な報告は3から4ヶ月以内に、さらに最終報告書原案は8ヶ月で管制させ、調査作業は一年以内に完了する。
事故調査結果は中国語で発表されており、以下は英訳による経過だ。
10:41:15 The recording begins.
10:51:13 The control tower at Taipei Songshan airport authorizes takeoff.
10:52:01 approximately, the aircraft takes off [begins takeoff roll, apparently].
10:52:38 Master warning for No. 2 engine, a few hundred meters from the runway.
10:52:42 No. 1 engine is throttled down.
10:53:00 A crew member mentions engine shutdown procedures.
10:53:06 A crew member mentions throttling down the No. 1 engine.
10:53:08 A crew member confirms No. 2 engine flameout.
10:53:10 Stall warning.
10:53:13 Stall warning.
10:53:20 A crew member mentions feathering and stopping fuel supply to No. 1 engine.
10:53:21 Stall warning.
10:53:24 No. 1 engine is shut down.
10:53:26 Stall warning.
10:53:35 A crew member calls “Mayday mayday mayday. Engine flameout.”
10:53:56 Stall warning.
10:54:06 Stall warning.
10:54:09 A crew member mentions engine restart.
10:54:20 [Attempted] restart of No. 1 engine.
10:54:12 Stall warning.
10:54:23 Stall warning.
10:54:34 Master warning.
10:54:37 The recording ends.
時刻は秒単位で処理して表示している。

コメント

このブログの人気の投稿

2024年11月5日、アリゾナ州、ホンダジェット、機内4名+地上巻き添え1名死亡―ホンダジェットで初の人身事故となった同機は離陸中止後に滑走路で止まりきれず、地上車両と激突した

Date: Tuesday 5 November 2024 Time: c. 16:39 LT Type:      Honda HA-420 HondaJet Owner/operator: Ice Man Holdings LLC Registration: N57HP MSN: 42000033 Engine model: GE Honda HF120 Fatalities: Fatalities: 4 / Occupants: 5 Other fatalities: 1 Aircraft damage: Destroyed Category: Accident Location: Falcon Field Airport (MSC/KFFZ), Mesa, AZ -   United States of America Phase: Take off Nature: Private Departure airport: Mesa-Falcon Field, AZ (MSC/KFFZ) Destination airport: Provo Airport, UT (PVU/KPVU) Investigating agency:  NTSB Confidence Rating: Information is only available from news, social media or unofficial sources Narrative: A Honda HA-420 HondaJet, N57HP, was destroyed when it crashed during a takeoff attempt from runway 22L at Falcon Field Airport (MSC'KFFZ), Mesa, Arizona. Four occupants of the aircraft, including the pilot, and the vehicle driver perished. ADS-B data suggests the airplane had accelerated to about 133 knots groundspeed before it ab...

お知らせ―新ブログの追加について

いつも当方のブログをご愛読いただきありがとうございます 昨年からの大きな流れが今年は形になり、私達の世界が大きく変わろうとしています。 より端的に言って、コモンセンスの勝利が続いています。 米国ではトランプを支援すると口にできなかった層が世論調査ではハリス支援、もちろん と答えたため世論調査は無効になってしまいました。 米国内が無茶苦茶になった理由としてこれまで民主党が支配してきたDEI思想など「目覚めさせる」ことをミッションとした「進歩派」の主張があまりにも前に出て、世の中がおかしくなっていくと感じつつも前述のように他人の目を気にして「支持」してきた人たちも、さるがにこれではおかしくなる一方だとトランプに一票を入れたのでしょう。 そうした人たちにとって唯一の選択基準はどちらが「コモンセンス」に近いかという点で、かならずしもトランプのすべてを肯定して一票を入れたのでしょう。(ハリスがあまりにもおかしすぎたと思ったはず) これまで航空宇宙や海軍関連、さらに安全保障などの話題を中心にお送りしてきましたが、ここに来てそれではカバーできない話題に注目するようになってきました。 そこで今回新しいブログチャンネルを追加することにしました。 タイトルをどうしようと考えて、コモンセンスなので「こもんせんす」にしようとしまいたが、尊敬する故江藤淳のエッセイ集こもんせんすとかぶるので「こもん・せんす」とします。  こもん・せんす でお送りしたいこと いわゆる「保守派』米メディアを中心に注目する記事をお伝えします。 それ以外に当ブログのオーナーとして気になる話題についてオピニオンをお伝えします。 当面は反DEIなどトランプ大統領のすすめる「改革」関連が多くなりそうですが、決してトランプ礼賛のブログにはならないでしょう。 ご期待ください。 なお、当ブログオーナーの運営するブログチャンネルは以下のとおりです。 航空宇宙ビジネスターミナル1 民間航空宇宙  https://aviationspacebusiness-civilaviation.blogspot.com/ 航空宇宙ビジネスターミナル2 軍用航空安全保障  https://aviation-space-business.blogspot.com/ Aviation & Space News from Japan https://a...

済州航空のボーイング737-800が韓国の空港での墜落事故の第一報(Aviation Week)

  2024年12月29日、務安国際空港に墜落した済州航空737-800の残骸。 Credit: Chung Sung-jun/Getty Images 韓国の済州航空が運航していたボーイング737-800が12月29日務安空港でギアを格納したまま着陸を試みた後、コンクリート壁に衝突し、炎上破壊された。 7C 2216便は乗客175人と乗員6人を乗せ、バンコクから韓国南西部に位置する務安へ向かっていた。179人の乗客・乗員が死亡した。韓国国土交通省によると、乗員2名が救助されている。 韓国国土交通省は、フライトデータとコックピットのボイスレコーダーは回収されたとし、8人の航空事故調査官と9人の航空安全関係者で構成されるチームが現場にいると付け加えた。 この事故は、2024年における世界最悪の事故であり、12月25日にアゼルバイジャン航空のエンブラエル190型機がロシアの対空砲火を受け、カザフスタンのアクタウに墜落して以来、2度目の死亡事故となった。 済州航空機は当初、務安の滑走路01に進入中だった。同省によると、事故の6分ほど前、航空管制官が周辺に鳥がいるとの警告を発した。同省によると、その1分後(現地時間午前8時58分)、乗務員は最終アプローチ中に緊急事態を宣言し、迂回することを選択したという。また、フライトトラッキングサイトFlightradar24によると、航空機はその時点でADS-Bデータの送信を停止したという。 Flightradar24が公開したデータによると、同機は滑走路01への進入の最後の2分間、最大2,000フィート/分で一時上昇するまでの間、ほぼ700-800フィート/分の標準的な降下速度で飛行していた。 滑走路01へのショートファイナルで空港に進入する同機のビデオには、フラップとランディングギアを上げた737の姿が映っている。右エンジンは煙と炎を発していた。 同機はその後、滑走路19(現地時間午前9時3分に着陸を試みたのと反対方向の同じ滑走路)への着陸を許可された。 墜落のビデオには、着陸装置もフラップも展開されないまま滑走路を滑走する機体が映っている。長さ2,800メートルの滑走路の端をオーバーランした。航空機はその後、滑走路から数百フィート離れたコンクリートの境界壁に衝突し、炎上した。 エイビエーション・ウィーク・フリート・ディスカ...