スキップしてメイン コンテンツに移動

AI171便墜落事故:インド当局、墜落事故調査をめぐり米英仏と対立(Simple Flying) インドは国連によるボーイング787墜落事故調査支援も阻止していた



この記事は民間航空を扱うターミナル1ブログと共通記事です。


Media_works|Shutterstock


アメリカ、イギリス、フランスの航空規制当局が、インド当局が主導するボーイング787ドリームライナー墜落事故の調査の透明性に懸念を示したと報じられている。コリエレ・デラ・セラの取材に応じたこの問題に詳しい2人の情報筋によると、地元の政治的圧力が調査とその最終報告書に影響を及ぼすのではないかという懸念が水面下で存在しているという。


 エアインディア

航空会社の種類 フルサービスキャリア

ハブ空港 デリー・インディラ・ガンディー国際空港

設立年 1946

アライアンス スターアライアンス

CEO(最高経営責任者 キャンベル・ウィルソン


この懸念は、2つのブラックボックスの取り扱いの後に生じた。ブラックボックスは、この分野での専門家として知られるアメリカやフランスに送られなかった。さらに、ICAO(国際民間航空機関)のオブザーバーが最近、調査への参加を拒否されたことも追い打ちをかけた。


ブラックボックスの取り扱いをめぐる懸念


写真 Markus Mainka|Shutterstock

 Corriereによると、西側当局が表明した最大の懸念は、ブラックボックスの取り扱い方法だ。欧米の情報筋は、インドの機関は2025年4月9日にオープンしたばかりの真新しいものだと指摘している。しかし、際立っているのは、インドがブラックボックスのデータを、通常のようにフランスやアメリカの経験豊富な施設に送るのではなく、現地で抽出するという決定を下したことだ。 フランスはBEAラボを推薦したが、インド当局はこの提案を拒否したという。

 コックピット・ボイス・レコーダー(CVR)とフライト・データ・レコーダー(FDR)は、2025年6月13日に墜落現場の建物の屋上から、2025年6月16日に残骸から、それぞれ別の日に回収されたと、インド民間航空省は2025年6月26日の声明で発表した。

 インドの調査官は、エア・インディアのボーイング787-8ドリームライナーが離陸後数分で墜落したアーメダバード市民病院近くの墜落現場から最近回収された2つのブラックボックスのデータ分析を開始した。  この作業は、アメリカの国家運輸安全委員会(NTSB)の支援を受け、、インドの航空機事故調査局(AAIB)が主導している。 CorriereによるとAAIBは民間航空省の下で運営されており、独立性に疑問が持たれている。

 また、インドがICAOのオブザーバーによる調査協力を妨害したと報じられた。


写真 Rahul Sapra|Shutterstock

 2025年6月27日、インドがボーイング787-8ドリームライナー墜落事故の調査にICAO(国際民間航空機関)のオブザーバーが協力するのを妨害したと、この問題に詳しい2人の情報筋がロイターに語った。異例の動きとして、国連航空機関が墜落事故調査のために調査員の一人の協力を申し出た。

 ロイター通信によると、ICAOが調査に直接関与することを要請したのは今回が初めてだという。ICAOの調査員が航空事故調査に協力したのは、2014年のマレーシア航空ボーイング777-300ER型機墜落事故や2020年のウクライナ国際航空ボーイング737型機墜落事故が最後だったが、こうした事故では正式に協力を要請されていた。

 これに対しインドのAAIBが、この10年間で世界最大の航空事故に関する調査を主導している。その他、米国運輸安全委員会(NTSB)、英国航空事故調査局(AAIB)などが調査に協力しており、国際規約に従い、航空事故調査に関する情報公開はインド当局のみに委ねられている。

 異例なことに、国連航空機関は今週初め、墜落事故調査のために調査官の1人の協力を申し出ていたがインド政府はこれを拒否した。


AI171便について


2025年6月12日に発生したエア・インディアの墜落事故は、機内とアーメダバードの地上にいた260人の命を奪った。 ボーイング787-8ドリームライナーによるこの種の墜落事故としては初めてのものだった。

 ロンドン行きの787-8ワイドボディの乗客のうち1人が生存。この墜落事故により241人の命が奪われた。 報告書によると、この墜落で地上にいた19人も死亡した。 死者数は当局の発表した270名より少ないが、最終的な死者数について慎重な姿勢を崩していない。■


Flight AI 171: Indian Authorities Reportedly At Odds With US, UK & France Over Crash Investigation

By 

Vyte Klisauskaite

https://simpleflying.com/indian-authorities-at-odds-us-uk-france-crash-investigation/


コメント

このブログの人気の投稿

2024年11月5日、アリゾナ州、ホンダジェット、機内4名+地上巻き添え1名死亡―ホンダジェットで初の人身事故となった同機は離陸中止後に滑走路で止まりきれず、地上車両と激突した

Date: Tuesday 5 November 2024 Time: c. 16:39 LT Type:      Honda HA-420 HondaJet Owner/operator: Ice Man Holdings LLC Registration: N57HP MSN: 42000033 Engine model: GE Honda HF120 Fatalities: Fatalities: 4 / Occupants: 5 Other fatalities: 1 Aircraft damage: Destroyed Category: Accident Location: Falcon Field Airport (MSC/KFFZ), Mesa, AZ -   United States of America Phase: Take off Nature: Private Departure airport: Mesa-Falcon Field, AZ (MSC/KFFZ) Destination airport: Provo Airport, UT (PVU/KPVU) Investigating agency:  NTSB Confidence Rating: Information is only available from news, social media or unofficial sources Narrative: A Honda HA-420 HondaJet, N57HP, was destroyed when it crashed during a takeoff attempt from runway 22L at Falcon Field Airport (MSC'KFFZ), Mesa, Arizona. Four occupants of the aircraft, including the pilot, and the vehicle driver perished. ADS-B data suggests the airplane had accelerated to about 133 knots groundspeed before it ab...

お知らせ―新ブログの追加について

いつも当方のブログをご愛読いただきありがとうございます 昨年からの大きな流れが今年は形になり、私達の世界が大きく変わろうとしています。 より端的に言って、コモンセンスの勝利が続いています。 米国ではトランプを支援すると口にできなかった層が世論調査ではハリス支援、もちろん と答えたため世論調査は無効になってしまいました。 米国内が無茶苦茶になった理由としてこれまで民主党が支配してきたDEI思想など「目覚めさせる」ことをミッションとした「進歩派」の主張があまりにも前に出て、世の中がおかしくなっていくと感じつつも前述のように他人の目を気にして「支持」してきた人たちも、さるがにこれではおかしくなる一方だとトランプに一票を入れたのでしょう。 そうした人たちにとって唯一の選択基準はどちらが「コモンセンス」に近いかという点で、かならずしもトランプのすべてを肯定して一票を入れたのでしょう。(ハリスがあまりにもおかしすぎたと思ったはず) これまで航空宇宙や海軍関連、さらに安全保障などの話題を中心にお送りしてきましたが、ここに来てそれではカバーできない話題に注目するようになってきました。 そこで今回新しいブログチャンネルを追加することにしました。 タイトルをどうしようと考えて、コモンセンスなので「こもんせんす」にしようとしまいたが、尊敬する故江藤淳のエッセイ集こもんせんすとかぶるので「こもん・せんす」とします。  こもん・せんす でお送りしたいこと いわゆる「保守派』米メディアを中心に注目する記事をお伝えします。 それ以外に当ブログのオーナーとして気になる話題についてオピニオンをお伝えします。 当面は反DEIなどトランプ大統領のすすめる「改革」関連が多くなりそうですが、決してトランプ礼賛のブログにはならないでしょう。 ご期待ください。 なお、当ブログオーナーの運営するブログチャンネルは以下のとおりです。 航空宇宙ビジネスターミナル1 民間航空宇宙  https://aviationspacebusiness-civilaviation.blogspot.com/ 航空宇宙ビジネスターミナル2 軍用航空安全保障  https://aviation-space-business.blogspot.com/ Aviation & Space News from Japan https://a...

エア・インディア171便事故はボーイング787初の機体喪失となった(Simple Flying)

速報 エア・インディア ボーイング787が離陸中に墜落 この記事は航空機事故を専門に扱うT4と民間機の話題を中心とするターミナル1共通記事とします。 Photo: Media_works | Shutterstock 6 月12日、ロンドン・ガトウィック行きのボーイング787-8ドリームライナー、エア・インディア171便がアーメダバードのサルダール・ヴァラブバイ・パテル国際空港を離陸直後に墜落した。機体の最終信号は高度約625フィートの低空で記録され、空港近くの住宅街に墜落した。詳細はまだ明らかになっていないが、当局は、搭乗していたと思われる242人のうち生存者は1人だけかもしれないと指摘している。 ボーイング787 ローンチカスタマー 全日空 メーカー ボーイング 航空機タイプ ワイドボディ 今回の事故は、ボーイング787型機が2011年に商業運航を開始して以来、初めて確認された機体喪失となった。ドリームライナー・ファミリーは、10年以上にわたって運航され、死亡事故はなく、事故はほんの一握りで、強力な安全記録を築いてきた。同機種は現在、世界の80社以上の航空会社で使用されており、世界中の長距離路線戦略の中心となっている。 エア・インディア171便墜落事故: これまでに判明していること 171便はロンドン・ガトウィック空港行きの定期便で、事故機はエア・インディアのボーイング787-8型機27機のうちの1機で、同社に納入された初期のドリームライナーVT-ANBであった。 同機は2012年後半に就航し、11年以上にわたって運航されていた。現場からの映像では、機体が徐々に高度を下げ、火球となって噴出する様子が映し出されている。 衝突地点は、付近の医療施設での医師の集合住宅だと確認された。  アーメダバード空港の運航は一時停止され、その後再開された。 調査はインドの航空機事故調査局(AAIB)が主導し、飛行データ、整備履歴、構造記録の調査が行われる。米国国家運輸安全委員会(NTSB)からの支援も確認されており、複数の報道によれば、英国のAAIBも支援を申し出ている。  インドの民間航空局(DGCA)は、乗員が離陸直後にMAYDAYコールを発したことを確認したが、それ以上の連絡はなかった。ボーイング社のケリー・オートバーグCEO兼社長は声明で次のように...