墜落したエンブラエルE190 4K-AZ65。 (画像出典:Mehmet Mustafa Celik/Wikimedia Commons) 緊急着陸を試みたエンブラエルE190の墜落事故に関する調査はまだ続いているが、ロシア防空軍が関与した可能性があるとの報道がネット上で急速に広まっている。 2024年12月25日午前、乗客62人と乗員5人を乗せたエンブラエル190型機のアゼルバイジャン航空8243便が、カザフスタンのアクタウ空港に緊急着陸を試み墜落した。カザフスタン政府によると、乗客67人のうちパイロットを含む38人が死亡した。 アゼルバイジャン航空8243便に関する事実 8243便はアゼルバイジャンのバクーからロシアのグロズヌイへ飛ぶ予定であった。 4K-AZ65として登録されたE190は03:55UTCに出発し、ロシア領空に入るまで飛行に問題はなかった。同機は04:25UTCにADS-B位置データの送信を停止したが、これは著しいGPSの干渉に遭遇したためであった。 機体がグロズヌイに近づいたときに何が起こったのかは不明だが、同機はカザフスタンのアクタウに迂回した。航空会社やグロズヌイ空港によると、濃霧のため迂回を余儀なくされたとのことだが、最初にマハチカラに迂回し、最終的にアクタウに迂回したとの矛盾した報告もある。 BBCは、パイロットがグロズヌイへの着陸を2度試みたと思われるとロシアのテレビ局に語った生存乗客の言葉を引用した。フライトレーダーによると、当時のグロズヌイの気象は、飛行場視界が3600メートルで、低い曇り空だったという。 しばらくの間、断続的で不完全なデータを送信した後、同機はカスピ海上空をアクタウに向かって飛行中のUTC6:07に位置データの送信を再開した。フライトレーダーのデータの分析で、同機は05:13UTCから少なくとも75分間、一貫した高度と速度を維持することができず、さらに、データには±8,000フィートの変動高度報告が数十回あり、対地速度と垂直速度値が変動していた(最大8,300フィート/分)と述べている。 このような挙動は、E190がアクタウに近づいた飛行の最終段階を映したビデオでも明らかであった。地上から録画された動画はすぐに拡散され、航空機が急上昇と急降下を繰り返し、滑走路に合わせるためか急な右旋回をしている。 し...
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