FAAが出した737クラシック緊急点検命令の内容とその影響

FAA Emergency AD Will Apply To 80 U.S. 737s
aviationweek.com Apr 5, 2011

FAA連邦航空局は緊急改善指令を4月5日に発し、金属疲労試験を米国内で使用中の約80機の737クラシック、その他世界で95機が実施することになる。

米国内の機体は大部分がサウスウェスト航空が運用中で、同社は79機で機体表面下の亀裂チェックを開始している。4月4日までに同社は同型機合計57機の点検をおえて路線に復帰させている。ただし三機に追加で亀裂が見つかっている。
同社によると点検方式は非破壊検査で低周波渦電流を機体表面に流すものだという。
FAAによると電磁式あるいは渦電流方式の検査が今回の指令で想定され、対象は737の特定機種の特定部分のみだという。－300、－400、－500型で飛行サイクル回数が3万回を超えている機体が対象。
FAAは同時に昨年11月に発表した経年機の疲労被害の広がりについて注意を喚起すべくルールを発表している。それによると航空機メーカーは飛行サイクル回数あるいは飛行時間により疲労による被害が発生する可能性を示すことが求められている。またメーカーにはその上限をメンテナンス計画の中に織り込むことを求めている。。
ボーイングはクラシック型機の運行者向けサービス速報を準備中で、NTSB調査結果およびサウスウェスト航空による点検結果を反映し、各型の点検を推奨する内容となる。
米国内で運行中の737－300型は190機で、そのうち169機がサウスウェスト航空が使用している。737－400型では83機、－500型は56機が米国内で運行中だ。んこう
機体の亀裂についてはFAAより以前に指令が出ている。2008年10月には機体表面の疲労亀裂の発見、修理についての内容で放置すれば突然機体が破損したり、表面パネルの剥離につながり与圧が急速になくなる危険性が指摘されている。.
今回のサウスウェスト機のサービス困難度報告（SDR)の履歴によると、同機は数回のひび修理をしており、直近では2010年3月に胴体部分の修理をしている。.”
FAAは2008年にサウスウェストに総額10.2百万ドルの罰金を科しており、前年に発生した同社737機胴体の日々の修理を適切に行わなかったことが原因としている。2008年3月に修理を実施していない事実が判明してからも同社は当該機を8日間もそのまま使用して、その間に合計1,451回のフライトを実施しているとFAAは把握している。