2017年11月25日土曜日

主張 航空事故が低くなっている現況をこのまま守るため何が必要か

お気づきかもしれませんが、今年は航空事故がかなり少なくなっており、過去5年平均の事故数、死傷者数を大きくしたまわっています。今年もほぼあと一か月ですが、このまま推移すれば画期的と言えます。当然5年前より航空業界の輸送実績も増えていますので今までの努力が実を結びつつあるのか、たまたま偶然に助けられているのかはわかりませんが、この分野で知見を持つジョン・ビーティ―が以下提唱されていますので耳を傾けてみましょう。

 

Aviation Week & Space TechnologyOpinion: How To Keep Accidents Low As Air Traffic Increases 主張:航空交通量が増える中で航空事故を低く抑えるためにすべきこと

Nov 20, 2017Jon Beatty | Aviation Week & Space Technology

ビジネス航空、商用航空ともに今年は事故実績が圧倒的に低いまま推移しており、航空安全が実現しているように見える。業界はそのほかの問題に関心を移しているが、このまま関心を低下させたままでいいのか。世界規模で航空交通量は今後20年間で倍増するので、安全実績が安定しても事故数そのものが増加しておかしくないのだ。
歴史的な事故発生率の低下と裏腹に事故が増えるとの見方もあり事故調査報告を読み取り次の段階の安全策を考えるべき時だ。通常の調査手法では単純な因果関係に着目することが多いがそれで潜在的要因すべてを洗い出すことは不可能であり、航空安全の専門家ジェイムズ・T・リーズンが呼ぶ「イベント軌道」に着目すべきで、望ましくないインシデントやアクシデントが発生するとの考え方だ。リアルタイムデータで安全情報を収集、配布、分析、共有できれば悲惨な事態が発生する前にイベント軌道を明確にできるはずだ。.
費用対効果が高いデータ処理による業績測定方法の新方式が安全当局で採用されている。これは国際民間航空機関ICAOの附則19号に準拠するものだ。航空技術の進歩で安全面での最大の脅威は人的要素になる。したがって人員の行動と報告により業界は将来を自信をもって展望できるようになるはずだ。
責任を擦り付け合わない風土がまず必要だ。安全管理の仕組みに安全重視の価値観を組み合わせ何気ない行動や結果でも報告さえてデータに基づく予防体制を充実させるべきだろう。この報告では安全を脅かしかねない目に余る、不注意で故意の行動をとった場合の責任の所在を明確にする。倫理学者ヴァージニア・シャープがこの作業を「前向きな責任感」と呼んでいる。
安全になってきた時代にふさわしくインシデントや事故の前兆そのものを減らす対策が必要であり、現状の低事故率だけ見て独善的になることは許されない。フライトには例外事項が毎回つきものであり、見逃したまま、報告されず共有されないと重大事態につながりかねない。想定外インシデントはニュースの種になるだろうが人命喪失や損害を伴う本当のアクシデントにならなければいいではないか。前兆現象の理解と緩和策、インシデントそのものの予防策で安全実績の新しい黄金時代がやってくるはずだ。
他の交通手段もデジタル時代に入り、特に自動車で高性能マシン学習による自律運転が実現しようとしている。残念ながら航空業界で安全面で世界規模のデータ共有が進まないのは法制度だけでなく経営側が情報管理や風評を懸念しているからに他ならない。事故情報が不足がちのまま交通量が世界各地で増えれば安全関連の情報共有と学びの過程で一台変化が必要がある。
運航乗員や空港で何かあれば民間航空やビジネス移動での絡み合ったネットワークに影響が直ちに発生する。デジタル情報共有は国境や企業の壁を超越すべきだ。
このため2015年度にグローバル安全情報プロジェクト Global Safety Information Project (GSIP)がFAAの協賛で立ち上がり、当Flight Safety Foundation財団が運営管理を任されている。安全評価フォーカスグループが米大陸とアジア太平洋地区で2016年に立ち上がりユーザー向けツールセットを作成中だ。当財団はウェビナーを開催しツールセットの原型を共有した。また安全実績指標調査の追加評価をしておりツールセットにより多くの事例を2018年度に盛り込む予定でツールの一貫利用体制が生まれる。
予想される航空交通量の倍増でGSIPの取り組み方が明確に支持されるはずだ。誇らしく思う反面、当財団だけで実現できる規模ではない。エアライン、ビジネス航空界、機体装備メーカー、空港、規制当局、航法サービス提供業、調査機関、各地自治体といった業界の全関係者がバラバラでは航空安全が危うい。各機関にそれぞれ思惑があろうが、当財団関係者がいみじくも言ったように「安全に決まったやり方はない」のである。各方面がそれぞれの貢献を通じ大量の利用客を緊密につながった世界で無事送り届ける究極の実績作りの基礎の進展に参加できるはずだ。■
Jon Beatty
Jon Beatty is the president and CEO of Flight Safety Foundation.

2017年8月7日月曜日

軍事航空事故 8月5日 米海兵隊オスプレイ三名死亡?




3 Marines Missing Off Australia Following MV-22 Mishap; 31st MEU, Bonhomme Richard Leading Search

オーストラリア沖でMV-22が墜落し海兵隊員3名が行方不明、第31MEUとボンノムリチャードが捜索中

 By: Sam LaGrone
August 5, 2017 9:30 AM • Updated: August 5, 2017 10:01 PM


写真 MV-22Bオスプレイ(海兵隊中型ティルトローター飛行隊VMM-265所属が揚陸強襲艦USSボンノムリチャード(LHD-6)への着艦に備え接近中。 Aug. 3, 2017. US Navy Photo.


  1. MV-22がオーストラリア沖で5日東部標準時午前2時ごろ墜落し行方不明の海兵隊員3名の捜索が続いている。第三海兵遠征部隊が声明を発表した。
  2. それによるとボンノムリチャード遠征打撃群(ESG)と第31海兵遠征部隊(MEU)が捜索中で救難活動にあたる。事故ではそのほか海兵隊員23名が救難されている。
  3. 「事故機は海兵隊中型ティルトローター飛行隊265所属で第31海兵遠征部隊(MEU)で運用中だった。同機はUSSボンノムリチャード(LHD-6)から発進し、通常の運航中だったが海中に墜落した」と声明文が述べている。
  4. 「艦から小舟艇航空機が直ちに現場に向かい捜索救難活動にあたった。第31MEUはボンノムリチャードESGとインドアジア太平洋地区へ通常の予定で展開中だった」
  5. オーストラリア国防省からは機内にオーストラリア軍隊員は登場していないと発表があった。
  6. 「米海兵隊所属MV-22オスプレイ一機がショールウォーター沖合で事故にあったとの報告を受けた」とマライズ・ペイン国防相が発表。「オーストラリア国防軍関係者は同機に搭乗していない。捜索救難活動は米国主導で行っている」
  7. NBCニューズ報道によれば問題のMV-22はUSSグリーンベイ(LPD-20)に接近中に事故にあった。事故でグリーンベイ飛行甲板が損傷している。
  8. 沖縄に本拠を置く31MEUとボンノムリチャードESGはこの数週間にわたりテイルズマンセイバー演習を珊瑚海で展開中。
  9. 事故調査が続いている。■

2017年7月21日金曜日

6月7日ミャンマー軍機墜落の原因は悪天候、しかし謎が残る

 

Bad weather caused deadly plane crash, military says

ミャンマー軍機事故の原因は悪天候だったと軍が発表
墜落事故の翌日に犠牲者遺体を運ぶ現地住民。. (AFP)
Wednesday, July 19, 2017
By AFP

  1. 先月発生のミャンマー軍機の墜落で搭乗122名全員が死亡した事故は同国最大の事故となり同国国営通信は原因は悪天候だったと7月19日に伝えている。
  1. 中国製陝西Shaanxi Y8軍用輸送機は南部ミエイクからヤンゴンに向け飛行途中にアンダマン海に墜落した。
  2. 事故後に海軍と漁船団がモンスーン暴風雨の中で遺体数人分を回収したが軍関係者の配偶者、子どもが大部分だった。
  3. 回収されたブラックボックスに録音されていた音声記録から同機は主翼に着氷があり急降下し向かい風の中でエンジンが停止したと国営通信は伝えている。
  4. ミエイク離陸後三十分ほどで航空管制は同機との交信を失い、その時点で18千フィートで飛行していたと以前に軍が発表していた。
  5. 「事故は悪天候で機体制御を失い、失速し急降下して発生」と国営通信は発表。事故調査は完了し「サボタージュ、爆発、エンジン不調は排除」したという。現在ミャンマーはモンスーンの季節だが当時該当地区で暴風雨は見つかっていなかった。
  6. ジャカルタの独立航空事故専門家ジェリー・スジェトマンによれば大気圏上層部の悪天候は地上かラ探知不可能で主翼やエンジン内部に着氷効果を与えることがあるという。だが通常はパイロットは気象レーダーで雲を回避するはずだという。「嵐雲だったとしたらなぜ突っ込んでいったのか」と疑問をAFPに述べた。
  7. ブラックボックスを解析したのはミャンマーとオーストラリアで後者はマレーシアエアラインズMH370便の消息不明事件でも機体捜索にあたった。
  8. ミャンマー国軍ではこれ以外にも深刻な事故が続いている。昨年2月には空軍機ガネピドー離陸直後に炎上し5名が死亡した。6月にはMi-2ヘリコプターがバゴ地区で丘陵地に墜落し陸軍将校3名が死亡している。■

2017年7月12日水曜日

2017年7月10日、ミシシッピ州、米海兵隊KC-130T、16名死亡



今年は航空事故が例年より少ないのですが、軍事航空での事故がそれだけ目立っています。ASN調べでは過去平均を大幅に下回る死亡事故ですが、このままですむはずはなく、今後も要注意です。皆さんもお気をつけてください。




発生日:
Monday 10 July 2017

時間:
ca 16:30

機種:
Silhouette image of generic C130 model; specific model in this crash may look slightly different

運航者:

機体登録番号:
不明

製造番号:


初飛行年:



エンジン:       


乗員搭乗数死亡数:
Fatalities:  / Occupants:

乗客搭乗数死亡数
Fatalities: / Occupants:

乗員乗客死亡数   
Fatalities: 16 / Occupants: 16

機体損傷度:
Destroyed

機体処分:
Written off (damaged beyond repair)

事故地点:
11 km (6.9 mls) WSW of Itta Bena, MS (   United States of America)

事故発生時:
En route (ENR)

フライト種別
Military

出発地空港:
Cherry Point MCAS, NC (KNKT), United States of America

目的地空港:
El Centro-Naval Air Field, CA (NJK/KNJK), United States of America

便名:
なし



米海兵隊予備役部隊のKC-130Tハーキュリーズが大豆畑に墜落し炎上した。搭乗16名は全員死亡。


同機はチェリーポイント海兵隊航空基地(ノースカロライナ)からエルセントロ海軍飛行場(カリフォーニア)に人員装備の輸送中だった。現地目撃者の談では同機はらせん状に落下し地表に激突したという。


C-130の喪失はこれで306機目となった。

2017年7月7日金曜日

2017年7月4日 ヴェネズエラ ガルフストリームIII 9名死亡





発生日:
Tuesday 4 July 2017

時間:
13:43

機種:
Silhouette image of generic GLF3 model; specific model in this crash may look slightly different

運航者:

機体登録番号:
YV2896

製造番号:
469

初飛行年:
1986


エンジン:       


乗員搭乗数死亡数:
Fatalities:  / Occupants:

乗客搭乗数死亡数
Fatalities: / Occupants:

乗員乗客死亡数   
Fatalities: 9 / Occupants: 9

機体損傷度:
Destroyed

機体処分:
Written off (damaged beyond repair)

事故地点:
50 km (31.3 mls) WNW off Macanao (   Venezuela)

事故発生時:
En route (ENR)

フライト種別
Official state flight

出発地空港:

目的地空港:

便名:



ガルフストリームIIIビジネスジェットがヴェネズエラのマカナオ沖海上に墜落した。ヴェネズエラ政府が運航していた。

ヴェネズエラ海洋SAR機関ONSAの発表では初期調査内容だが同機の油圧系統で故障が発生し、機体操縦が困難になり、ポラマール空港から40カイリ地点で墜落した。高度3,000フィートを飛行中と乗員からの報告が入った三分後に墜落している。

事故翌日に二人の遺体が回収されたが、残る7名はまだ見つかっていない。事故で全員死亡したとみられる。

ガルフストリームIIIの喪失はこれで33機目となった。

2017年6月10日土曜日

2017年6月7日 ミャンマー空軍陝西Y-8(Ant-12) 122名死亡







Date:
Wednesday 7 June 2017
Time:
13:35
機種:
Silhouette image of generic AN12 model; specific model in this crash may look slightly different
運航者:
機体登録番号:
5820
C/n / msn:

初飛行念:
2016
飛行時間合計:
809
乗員:
Fatalities: 14 / Occupants: 14
乗客:
Fatalities: 108 / Occupants: 108
合計:
Fatalities: 122 / Occupants: 122
機体損傷度:
Destroyed


事故地点:
off Dawei (   Myanmar)
事故発生時の状況:
En route (ENR)
フライト種別:
Military
出発地空港:
目的地空港:

ミャンマー空軍所属の陝西Y-8-200F輸送機が海上に墜落した。ミェイクからヤンゴンに向かっていた。同機からの最後の連絡はダウェイ西約20マイル地点だった。

同機は軍人軍属を乗せヤンゴンを離陸後、ダウェイ、ミェイク、ボクピンに向かった後、ミェイク経由でヤンゴンに戻る途中だった。ミェイクに11:55に到着し、13:06に出発している。同機は高度FL180に上昇後、海岸線に沿って飛行した。最後の連絡は13:35で、その時点の位置は13.48, 98.02だった。

翌日にミャンマー海軍がアンダマン海上で機体残骸と遺体31名分を発見。さらに同日中に追加遺体10名が見つかり、生存は絶望と見られる。



2025年7月24日、ロシア、An-24、死亡49名

  アンガラ航空2G-2311便(アントノフAn-24RV)はロシアのティンダ空港(TYD)近くの森林に墜落した。49人が搭乗していた。 同機はハバロフスク発ブラゴヴェシチェンスク(BQS)およびティンダ(TYD)行きの便で運航されていた。 フライトは現地時間11時21分にBQS...