2014年5月30日金曜日

民間航空の安全水準はこれまでにない水準に IATA

MH370便の捜査が行き詰まりの中、IATAから航空安全の年次報告書がでてきたのは皮肉なタイミングみたいですが、業界全体として安全な方向へ向かっているのは間違いないと思います。犠牲者には申し訳ありませんが、着実に安全安心な空へ向かっていってほしいと願うばかりです。(本記事はターミナル1と同時掲載です。)

Commercial Aviation Safer Than Ever, But Problems Remain

IATA and ICAO sometimes miss the point about flight safety, placing analysis over action
aviationweek.com Apr 23, 2014Piere Sparaco | Aviation Week & Space Technology
Last year was considered a good one for airline safety.  However, 2010 was marked by the crash of this Air India Express Boeing 737-800, killing 158.
UPI/Newscom File Photo
国際航空運送協会(IATA)が50回目の年次航空安全報告書を公開し、エアライン業界がインシデント、アクシデント双方を減らしていると総括。IATA加盟エアライン各社(世界31億人の旅行需要の86%を運ぶ)では昨年の人身事故は小規模で、死亡合計210名未満と言う実績は航空旅行が一層安全になっている証拠だ。「事故ゼロ」と言う目標は達成不可能だが、安全維持が適切に行われることでゼロに近づきつつある。
報告書と並行してマレーシア航空370便の行方不明が波紋を投げかけている。そもそも最新鋭の長距離ワイドボディ機が一流航空会社の運営のもとで海上で行方不明になり、航空管制官のスクリーンから消え、しかも電子警告もなし無線連絡もなしに消え失せることが可能なのか。
今回の事件は耐えがたいものだ。IATAは安全問題を分解分割して、ときには現実問題から離れる傾向がある。ICAO(国際民間航空機関)は緊急を要する事態にもお役所的な対応をしてきた。エールフランス447便が2009年に大西洋上空で墜落した際も機体残骸の発見に貴重な2年もの時間を空費している。ATCデータの連続発信およびフライトデータレコーダーの電池長寿命化を採用すべき時が来たと言ってよい。
同様にコックピット内ボイスレコーダーの性能向上も待ったなしで実施すべき時に来ている。
安全問題に詳しい航空業界トップはいま必要なのは現場での活動であり、会議や作業部会は減らすべきだという。同様にICAOがあまりにも現実から遊離しているとの指摘もある。
IATA最新版報告でも事故調査官が考える最悪のシナリオには触れていない。それは説明のつかない墜落事故で、残骸もフライトレコーダーも見つからず、報告書の結論が出せない事態だ。この関連でマレーシア航空370便は保安体制強化が必要だと教えてくれる。今回はテロは関係していないとみられるが、乗客のうち2名はタイで盗難された旅券を使っていた。これインターポールのデータバンクで判明したが、警戒態勢の緩みでせっかくの国際的な保安体制の国際協力も無力に終わっている。
テロの脅威は依然として深刻だ。370便では関与していなかったとしてもクアラルンプール空港の保安チェック体制の弱点が明らかになり、おそらく他の空港でも同様の問題があるだろう。また、機体が発見されてフライトレコーダーの解明ができても事実の真相がそのままわかるわけではない。
IATA報告書は大規模事故の原因は共通と指摘しており注意が必要だ。飛行中の機体制御の喪失、地表へ衝突、滑走路への誤った侵入だとして、エアライン業界に技術改善、規制との調和、施設改善をIATAが求めている。
これ以外に双発ターボプロップ機で努力が求められる。2013年の事故統計ではジェット機(12件)、ターボプロップ機(16件)とターボプロップ機の方が多い。昨年12月現在でジェットが21,879機、双発ターボプロップは4,119機であり、後者の危険度は容認できる範囲を超えている。言い換えればまだ改善の余地があるということだ。■

2014年5月29日木曜日

5月27日 ウルグアイ ビーチクラフト・スーパーキングエア 5名死亡

事故発生日:
Tuesday 27 May 2014
機種:
Beechcraft B200 Super King Air
運航者:
Kowzef S.A.
登録番号:
LV-CNT
製造番号:
BB-1367
製造年:
1990
乗員:
Fatalities: 1 / Occupants: 1
乗客:
Fatalities: 4 / Occupants: 8

死亡計:
Fatalities: 5 / Occupants: 9
機体損傷度:
Damaged beyond repair
発生地点:
10 km (6.3 mls) SW off Carmelo/Zagarzazú International Airport (   Uruguay)
発生時状況:
En route (ENR)
フライト種別:
Unknown
出発地空港:
San Fernando Airport, BA (SADF), Argentina
目的地空港:
Carmelo/Zagarzazú International Airport (SUCM), Uruguay

ビーチクラフトB200 スーパーキングエアが砂州に墜落した。目的地ウルグアイのカルメドから10 km地点であった。ウルグアイ空軍の報告によると同機には合計9名が搭乗しており、うち5名が死亡。事故直前にパイロットからエンジン不調の報告が入っていた。

2014年5月20日火曜日

5月17日 ラオス An-74 16名死亡




事故発生日:
2014年5月17日
事故発生時間:
06:15
機種:

運航者:
ラオス政府
機体登録番号:
RDPL-34020
製造番号:
36547098982
機体完成年:
2007
乗員:
搭乗6名死亡6名
乗客:
搭乗11名死亡10名
合計:
搭乗17名死亡16名
機体損傷度:
全損
発生地点:
2 km (1.3 mls) from Xieng Khouang Airport (XKH) (   Laos)
発生時:
Approach (APR)
フライト種別:
Official state flight
出発地空港:
目的地空港:

ラオス政府所属のアントノフAn-74がラオス国内シエン・クアン空港Xieng Khouang Airport (XKH)近郊で着陸アプローチ中に墜落した。乗員乗客17名のうち、当初3名が生存とされていたが、うち2名が負傷がもとで死亡。

死亡者にはラオス国防相ドゥアンチャイ・ピチット Douangchay Phichit、公安相トンバン・センガフォンThongbanh Sengaphoneおよび首都ビエンチャン知事を含む。

2014年5月13日火曜日

5月12日 ケニア Y-12 1名死亡


事故発生日:
Monday 12 May 2014
機種:
運航者:
機体登録番号:
registration unknown
C/n / msn:

First flight:

乗員:
Fatalities: 1 / Occupants:
搭乗者:
Fatalities: 0 / Occupants:
合計:
Fatalities: 1 / Occupants: 12
機体損傷度:
Damaged beyond repair
事故地点:
El Wak (   Kenya) show on map
事故時の飛行段階:
Takeoff (TOF)
フライト種別:
Military
出発地空港:
目的地空港:

ケニア軍のHarbin Yunshuji Y-12-II輸送機がケニア・エルワクEl Wak で離陸時に墜落。同機はマンデラからナイロビへ向かう途中、エルワクとガリッサで途中着陸していた。パイロット一名が死亡したが、搭乗してた残り11名には死傷者は発生していない模様。

2014年5月5日月曜日

MH370事故 重い腰を上げてマレーシア政府が報告書第一報を公表

マレーシア政府が国内の圧力に負けて事故報告書第一報を公表しましたが、逆に国際ルールに反している同国の情報公開の仕組みが明らかになってしまいました。MH370便ではまだ調査が続いていますが、マレーシアの政治の仕組みそのものが国際的な常識の線に変化していく第一歩になりそうですね。犠牲者の皆さんには申し訳ないのですが。



First MH370 Report Details Confusion In Hours After Flight Was Lost

aviationweek.com May 1, 2014Sean Broderick | AWIN First
MAS777

マレーシア運輸省がマレーシア航空370便事件の暫定報告書を本日公表し、失踪の原因では何ら目新しい発表はないものの、航空機の所在をリアルタイムで把握する手段の確立を提言している。
  1. 報告書ではMH370へ連絡を取ろうとした経緯を航空管制通話記録、同便の乗客座席表、搭載貨物のマニフェストを引用し9ページに渡り説明している。クアラルンプール国際空港の管制官とマレーシア航空のオペレーションセンターが4時間近くに渡り同機と連絡をとろうとしていたものの、緊急事態であることを示す兆候を軽視していたことがわかる。
  2. 同報告書は4月9日付けだが、公表は本日になった。北京行きMH370のクアラルンプール国際空港出発は現地時間3月8日00:41:43 と確認している。
  3. その後01:19:24にMH370の管制はホーチミンに移り、MH370操縦席の一人が確認返答している。同機からの最後のレーダー信号は01:21:13だったが同機からホーチミン管制官へ確認は発信されていない。これが同機の存在を示す最後の時点となった。01:38にベトナム管制官からクアラルンプールにMH370の所在を照会している。
  4. 30分近く立ってから同機の所在をつきとめようとクアラルンプール管制官がマレーシア航空オペレーションセンターに連絡したのが02:15で、同センターからはカンボジア上空で同機と連絡ができているとの回答があった。しかしカンボジア管制部からは同便とのコンタクトはなく、何ら情報ないとの回答があった。ホーチミン管制部も同便のフライトプランにはカンボジアは入っていないと確認している。
  5. オペレーションセンターから同便が「正常飛行中」と回答したのは02:35で、その後一時間たって同センターからフライト追跡は「フライトプランの予測に基づくもので、同機の実際の位置を確実に示すものではない」と回答してきたと報告書で明らかになった。
  6. その後の数時間に渡り管制部とセンターはMH370に連絡を入れようとする中で、飛行中の別のマレーシア航空便も援助を申し出てきた。4時間に渡り徒労を続けた後に、緊急事態扱いにしたのが05:30だった。
  7. 報告書では航空機通信連絡報告システム (ACARS) が合計7回にわたり「ハンドシェイク」自動通信を送っており、最後は08:19としているが、それ以上の詳細は触れていない。また信号発信により調査陣が同機はインド洋南方が最後の飛行地点と結論付けることになったと分析しているが、同機の飛行経路では何ら新しい分析はしておらず、すでに判明している同機がマレーシア付近で飛行高度を変更していることにも言及はない。
  8. マレーシア国防相(運輸大臣代行)ヒシャムディン・フセインからはマレーシア軍レーダーが同機を捕捉しており、同機が「西側に方向転換しマレーシア半島を横断しているのを3月8日に観測していた」ことを確認するものの、即座に行動をとらなかったのは「同便が敵機でないと判別されていた」ためだとする。軍レーダーの記録テープにより緊急事態宣言直後の捜索活動はマラッカ海峡に集中した、とも同大臣は説明。
  9. 報告書は国際民間航空運輸機関 (ICAO) に対し「リアルタイム式機体追跡装置の標準化による安全性向上の効果を検討する」よう提言している。ICAOはすでにこの課題に取り組んでおり、5月12日から13日にかけてフライトデータ追跡サミットを開催する。
  10. 報告書公表はマレーシア民間航空局がICAOへ報告書を提出したものの一般に公表していないことへの不満が高まったことへの対応だ。公表して二日後にナジブ・ナザク首相がCNNで報告書は内部検証後に公表するつもりだったと語っているが、マレーシア政府は情報公開の国際規範から外れていることが明らかになった。
  11. ICAOの航空事故調査規範として附則13号で報告書速報を調査対象の事故あるいはインシデント発生から「30日以内に」完成させることを求めている。また報告書は該当航空機の運航、設計製造、あるいは「関連情報、機材、施設を提供したすべての国」に該当する国すべてに配布することになっている。なお米国のNTSB国家運輸安全委員会は公表前にマレーシアから報告書写しを受領していると認めている。
  12. ただし附則13号では報告書等の一般公開には触れていなが、報告書速報が秘密にされることは稀である。フランス事項調査機関BEAは2009年にエールフランス447便事故の報告書速報を事故発生から31日目に公表している。台湾の航空安全委員会はシンガポール航空006便の蒋介石国際空港事故で報告提言を一ヶ月以内に発表している。■


2025年8月7日、ケニア、セスナ560XLサイテーションXLS、6名死亡

  AMREFのセスナ560XLサイテーションXLSがキアンブ郡ギトゥライ45地区ムウィホコの住宅地に墜落した。 初期情報によると、乗員4人が墜落で死亡、地上にいた2人も死亡し、機体は破壊された。 フライトは14:12 LT(11:12 UTC)にウィルソン空港(WIL/HKNW...