Missing Aircraft – Flight-Tracking, Data Streaming Back On The Agenda
機体を飛行中も追跡・データストリーミングすべきとの意見がエアエイジアQZ8501便事故を契機に再度浮上してきた。機体残骸と乗客乗員の遺体はカリマンタン島沖で12月30日に発見されたが、3日も浪費している。そもそも最新技術を導入した機体が「蒸発」するとはどういうことかとの疑問が出た。さらに今回が初めてではなく、マレーシア航空ボーイング777-200が7ヶ月前にも消息を絶っている。
- MH370便とQZ8501便の相違点は明らかだ。QZ8501は報道によれば二次監視レーダーで追跡されていた。(二次監視レーダーは機体識別情報、機体位置、高度を8秒から16秒毎に把握できる) また自動従属情報発信(ADS-B)も同様の情報を毎秒送信していた。MH370便では飛行の早い段階で両方が機能を停止あるいは意図的に切られており機体監視システムが作動しなかった。
- QZ8501便では正確な位置情報・高度データが消失寸前まで出ていたが、飛行高度が高く、海流が早く捜索は広範囲にひろがった。捜索区域は合計7つ、各60カイリ幅になった。捜索三日目で機体残骸が見つかったがADS-Bの最後の発信位置に近かった。
- 緊急時位置情報送信装置(ELT)は機体にかかるGが一定以上になると作動する。ただし起動条件で信頼性の問題があり、今回のように機体が水没すると使いものにならない。
- QZ8501便のフライトデータ送信内容とフライトレコーダーが事故調査で利用できれば機体の状況、墜落地点が解明される。MH370便が行方不明になったことを契機に機体情報の常時送信が注目されたものの、既存機材に装備する費用と時間を考慮すると短期的には実現の目処がない。当面は最初から装備される新造機の増加を待つしか無い。
- MH370便事案を受けICAOが2016年にも世界規模のフライト追跡の標準化を提唱する予定だが業界筋によれば言葉はたくましいが、中身が伴っていないという。
- 長期的な解決方法もある。フライトデータをクラウドに蓄積し、事故発生や消息不明時に即座にデータを参照する方法が最も妥当と思われるが、飛行中のデータストリーミングは技術的に可能とは言うものの、データの整合性、保安性、信ぴょう性をまず確保しなければならない。
- もうひとつ技術革新がある。2018年にも稼働開始予定の新型捜索救難用衛星群に第二世代の緊急時位置情報送信装置を組み合わせ、遭難信号そのものを一新する構想だ。これとは別にNASAも業界と共同でELTの技術改良を行っており、2016年に登場すると緊急信号が従来よりも確実に発信できるようになる。■
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