Media reaction to ‘safest year’ for airlines is telling
エアライン業界で「最も安全な年」へのメディア反応がいわんとしているもの
今年初めに航空旅行の一般客に朗報となる二つの報道記事が出だ。2017年が歴史的上最も安全な年になったこと、大型民間機で一人も死者が生まれなかったことだ。
ただし、エアライン各社はこの歴史的快挙へ一般客がどう反応しているかに留意すべきだ。ドナルド・トランプ大統領がツイッターで業績は自分の功績だと言い始めて肝心の話が見えなくなっている。以下のような見出しが各国で見られた。
「空の旅は惨めでも民間航空ジェット機では一人も死者がなかった」(ワシントンポスト)
「2017年は最も安全な空の旅の年になったが旅の楽しさはない」(Vox)
サービス産業として最も安全な年になったのは確かだが、みじめな体験を与えたとしても一人も死者が生まれていないのも確かでエアライン各社が提供すべきと考える内容と利用客の期待内容にずれがあるのだ。
朗報は業界こぞっての努力で安全第一になったことだ。エアライン業界、メーカー、規制当局や安全機関の各自が一貫した努力で民間航空運輸の安全実績を改善し、一件一件の事故から学んだ結果だ。その結果として驚くべき安全実績を業界が2017年に達成し、百万回フライトで1.2件のインシデントになったのがIATA統計でわかる。
だが報道機関の反応は安全とは与えられるものであり、期待値でありエアラインがそれを売り物にすることはできないとする。ほとんどの地域やエアラインの種別やサービス内容の違いや運賃の上下問わず優秀な記録だったので、差別化要因にならない。
それでもエアライン側は安全を「売る」ことを続けており、何かまずいことがあると安全を前面に立てる傾向がある。遅延や取り消しが発生するとエアライン側は乗客に不便が発生したのは「安全が当社の愛優先事項ですから」と即座に説明するものだ。エアラインの多くで機内へ乗客を案内する際に乗務員は「皆様の安全のために」ここにいると述べるものだ。本当にすべきことは混乱にあらかじめ備え乗客の不便を最小限にすることではないのか。
エアライン各社は今年は乗客向けサービスの改善にそれぞれ取り組むべき年なのだ。また業界としてもイメージを高めなければならない。2018年をエアライン安全実績が続きながら乗客向けサービスを飛躍的に伸ばす年にしたいものである。■
Karen Walker karen.walker@informa.com
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