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エールフランス447便:墜落直前の再現データをBEAが公表

Doomed AF447 Stalled, Investigators Say

aviationweek.com May 27, 2011

エールフランス447便は2009年6月1日の墜落寸前数分間は失速状態であったとフランス事故調査当局BEAのよるデータ解析が明らかにした。

  1. BEA は27日にフライトデータレコーダーとボイスレコーダーの第一回解析結果を公表した。それによると同機の左側の統合待機計器システム(ISIS)の速度表 示に矛盾があったという。そのことが意味するのはピトー管の凍結で速度データが誤って伝わりコンピューターに入った可能性があることだが、BEAはこの点 を説明していない。速度データの不一致は一分間未満続いている。

  2. 発 表された全4ページの報告書の中心は以下の点。失速状態が3分30秒間継続している。同機は巡航高度 35,000 フィートからオートパイロットを解除して38,000 フィートに上昇している。実際に失速してから失速警報がコックピットで作動しているのが聞こえる。操縦担当パイロットは機首上げのインプットをしており、 推力を最大に上げている。この3分30秒間に同機は失速状態のままで迎え角は35度を越えている。エンジンは作動状態のままでパイロットによるインプット に正常に反応している。重量バランスは限界範囲内で記録の最終時点でもそのままだったが、ピッチは16.2度機首上げのままで垂直面の速度は毎分 10,912 フィート。

  3. 機長は休息を取るため一度コックピットを離れていたが、オートパイロット解除の90秒後に戻っている。

  4. さらに以下が明らかになっている。午前1時59分、副操縦士二名は機長とともにブリーフィングをしている。操縦担当パイロットより「若干のタービュランスあり、雲層のため今はこれ以上高度を上げられない」旨方向があり、機長はコックピットを離れる。

  5. 午前2時6分 操縦担当パイロットからクルーに対しタービュランスに備えるよう連絡。その二分後同機はやや左に振れ、およそ12度方向を変える。タービュランスが大きくなり、クルーは速度をマッハ0.82から0.8に減速。

  6. 午前2時10分5秒 オートパイロット、オートスラストが解除、操縦担当パイロットが操縦を宣言。機体は右にロールし、パイロットは機首上げをインプット。失速警報が二回流れる。左側の速度表示は275ノットから60ノットへ低下。その直後ISISにも同じ表示が出る。

  7. 迎え角が10度以上ぞ華氏、同機は上昇を開始するが、パイロットは機首下げのインプット左右ロールのインプットをする。垂直面速度は毎分7,000フィートを超過。フライト表示は速度215ノット(マッハ0.68)、高度37,500フィートを示す。

  8. 午 前2時10分51秒に失速警報が再度流れる。スラストレバーは離陸ゴーアラウンド一にあり、機首上げインプットがパイロットからあり、迎え角が増える。機 体は高度35,000フィートになり迎え角は40度を超えた段階で機体は毎分10,000フィートほどで降下を開始。エンジンN1出力は100%に近づ く。
  9. 午前2時12分02秒 操縦担当パイロット「これ以上の兆候なし」と発言。その15秒後、操縦担当パイロットはピッチダウンのインプットをし、迎え角が下がるが、失速警報が作動するものの、回復ができない。
  10. その50秒後にパイロット「高度100になる」、15秒間正副パイロットが同時に制御インプットをしているのが記録されている
  11. エアバス社からは声明文で今回解明された記録は初期および中間報告で発表されていた内容と一致しており、「一連の事態の解明に大きな一歩」と評価している。
  12. 一 方、エールフランスは「操縦クルーは天候状況の変化を把握していたので飛行経路の変更をしており、最初の問題は速度測定機器の故障でオートパイロットの作 動ができなくなり、関連システムの補助が得られなくなったので機体が高高度で失速した。また機長が休憩を早めに切り上げてコックピットに復帰しているのが 明らかになった。クルーは経験の長いパイロット三名で非の打ち所が無いプロとしての姿勢を示し、最後の瞬間まで責務を果たしており、当社は各人に賛辞を贈 るものである」と発表。
  13. 墜落で機内228名全員が死亡。BEAが次回報告を公表するのは6月末になると見られる。

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