ATSB Confirms A380 Engine Failure Sequence
aviationweek.com May 18, 2011
オーストラリア運輸安全局(ATSB)は5月18日にカンタス航空のエアバスA380 で昨年11月4日に発生したロールスロイス・トレント900エンジンの事故原因がオイル補給パイプの製造に不良があったためと確認した。同事故での死傷者はなく、シンガポール空港を離陸直後に発生しているが、エンジンの一部分解で同機はシステム作動不良に陥り、機体にも損傷が発生している。現在も同機VH-0QAはシンガポールで修理を待つ状態だ。
aviationweek.com May 18, 2011
オーストラリア運輸安全局(ATSB)は5月18日にカンタス航空のエアバスA380 で昨年11月4日に発生したロールスロイス・トレント900エンジンの事故原因がオイル補給パイプの製造に不良があったためと確認した。同事故での死傷者はなく、シンガポール空港を離陸直後に発生しているが、エンジンの一部分解で同機はシステム作動不良に陥り、機体にも損傷が発生している。現在も同機VH-0QAはシンガポールで修理を待つ状態だ。
- 事故調査官は最終発表は来年としながら、事故原因究明の調査をエンジン以外でも進めている。
- 中圧タービンディスクの爆発により広範囲なシステム停止、機能低下が発生し、操縦制御は困難となったが結果として同機は重量超過のままシンガポール・チャンギ空港に着陸している。 トレント900エンジンは離陸後およそ3分後に事故をおこし、部品をインドネシア領バタム島上空にばらまいたが、死傷者はいなかった。
- 「調査結果で判明したのは中圧タービンディスクが速度超過の結果で破損し、中圧タービンディスクがエンジンケースを貫通し、主翼構造部にも損傷を与えたことである。ディスク破損の原因は製造工程の不良がオイルフィードパイプ にあり、該当部分の肉厚が不足していたところにフィルターを取り付ける加工をしていたことにある。」(ATSB報告書)
- オイルフィードパイプが支えていた部分ではエンジン運転により疲労によるひび割れが発生し、エンジン内部でオイルが発火し、中圧タービンディスクを傷めた。その結果、ディスク周辺部で破損が広がり、その後ディスクが中圧タービンシャフトから外れた。ディスクが分離したことで、バースト速度が加速されたことになり、これが同機第二エンジンの破損につながり、機体構造およびシステムが損傷を受けたのだ。
- 今回の事故を受けて極めて多くの組織が調査活動に参加している。ATSBが中心となり、フランスのBEA、英国の航空事故調査局(AAIB)、シンガポールの航空事故調査局、インドネシアの国家運輸安全委員会が加わり、さらにロールロイス、エアバス、SAFRAN Sagem、ハネウェル、Aerolec UK、シンガポールのエアロエンジンサービシズが専門意見を提供している。
- オイルフィードパイプが事故原因と見られるが、ATSBはパイプの破断原因を解明しようとしている。金属疲労がパイプ周辺部にひびを起こしたと思われているが、核心は最低でも0.5ミリメートルと定められている肉厚を減らすことになったボアリングの位置のずれであることが判明したのだ。
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